仙台市若林区の診療所  医療法人社団太陽会 仙台在宅支援たいようクリニック 【訪問診療・往診・予防接種】
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院長ブログ


 第207話 雪にまつわる思い出
投稿:院長

このところ、仙台でも雪の日が多く、出勤や往診車での移動に時間を要することが多かったのですが、なんとか無事に業務を続けています。

 

訪問診療先でも、「雪の日にご苦労様です」と労いの言葉を頂くことが多く恐縮しています。

 

私は雪国の新潟の長岡市育ちなので、この程度の雪には慣れているはずなのですが、新潟を離れて暮らしていると、「この程度の雪」がいつの間にか「大雪」に変わってきてしまっていることに気が付きます。

 

私が子供の頃は、ひと冬に多いときで8回程度屋根の雪下ろしをしていました。もちろん報酬はありません(笑)。

 

雪下ろしの回数が増えてくると、家の周りは高く積み上げられた雪で覆われ、いつの間にか屋根の高さよりも高くなり、「雪下ろし」が「雪上げ」に変わり、すっかり見えなくなってしまった玄関ではなく、2階の窓から真っ暗闇になった自宅に入ったりすることもありました。

 

私が高校3年生になり、大学受験勉強に励んでいた年も大雪で、当時実施されていた共通一次試験の試験会場に行くバスの停留所まで除雪されていない雪をかき分けていく羽目になったり、二次試験の1週間前にこれまた大雪になり、築100年以上の実家が雪の重みで倒壊しないようにハラハラしながら屋根の雪下ろしを手伝う羽目になったり、かなり苦労したことを覚えています(また、その一方で、大雪で学校が休校になって恩恵を受けることもありました)。

 

でも、普段の善行(?)を受験の神様は見てくれていたのか、無事に大学合格を果たすことができ、今では「受験の1週間前に雪下ろしをしても合格した」ことが私の自慢話の一つになっています。

 

歳をとってすっかり寒さに弱くなってしまったのですが、今年は昔のように逆境に強い自分を是非復活させたいと思っています。どうぞご期待(?)下さい。



2021年1月13日(水)

 第206話 男の中の男
投稿:院長

明けましておめでとうございます。


お正月も明けて今日が仕事始めでした。

 

今年のお正月はコロナ禍でもあり、自宅のテレビで駅伝三昧でした。

 

恒例の箱根駅伝は、駒沢大学の優勝で幕を閉じましたが、個人的には駒沢大学の大八木監督が好きなので、とても嬉しく思いました。

 

大八木監督は、運営管理車から選手に檄を飛ばすことで有名ですが、今年は歓声が少ない分、監督の声がはっきりと聞こえてとても新鮮でした。

 

勝負のポイントでは「男だろ!」「白バイを抜け!」

いい走りをしていたのに足のけいれんを起こした選手に「足とか関係ない!区間賞取れええ!」

下り坂を走る選手に「跳べ!跳べ!頭から突っ込め!」

いい走りをしている時には「やったよ!お前 男だ!」

 

一見、乱暴な言葉に聞こえますが(笑)、選手への愛情や選手との信頼関係があるからこそ掛けられる言葉なんですね。

 

その一方で、とても気になったのが、いい走りができず、順位を落とした選手に向かってマスコミが「ブレーキ」だとか「大失速」という言葉を平気で使うことです。


ネットでのバッシングが大いに批判されていますが、懸命に走った選手に向かってブレーキだとか大失速という言葉を使うことこそ不寛容社会の表れで、そこには愛情も信頼もありません。

 

箱根駅伝は、たゆまぬ努力をした選手だけが出場できる長距離ランナーなら誰でもあこがれる夢の舞台なのです。全国から集まった選び抜かれた部員の中の競争を勝ち抜いて出場するだけでも快挙なのです。

 

快走した選手は「男の中の男の中の男」かもしれませんが、思い通りに走れなかった選手も「男の中の男」なのです。

 

選手全員を応援し、頑張った選手全員にねぎらいの言葉を掛けられるようなそんな温かい社会であってほしいものです。

 

ところで、一度でいいから大八木監督に「やったよ!お前男だ!」なんて言葉を掛けられてみたいな・・・(笑)。

 


2021年1月4日(月)

 第205話 アメージング・グレイス
投稿:院長

年末は、その1年を音楽を聴きながら振り返ることにしています。

 

昨年はベートーベン作曲の第九について、作曲された背景やその成り立ちを勉強して全楽章を聴いて感慨に耽ったのですが、今年は2005年に白血病でお亡くなりになった本田美奈子さんが歌うアメージング・グレイスです。

 

本田さんは私と同い年で、アメージング・グレイスは本田さんが亡くなる直前にリリースされた曲で、今や本田さんを代表する曲の一つです。

 

この曲をさかのぼると、1772年に英国の船乗りが、航海中に嵐に遭って奇跡的に助かったことを神からの恵みと受け止め、讃美歌として作詞されました。

 

そして、現代までキリスト教とは関係なく、本田さんはじめ数多くの人に歌い継がれてきました。

 

グレース(grace)は神の恵み、慈悲と訳されますが、もっと自由に解釈することができるそうです。

 

それは、人が苦難を乗り越えていく希望、人との絆から生まれる恵み、愛情、人としての崇高な力・・・。

 

そして、この歌詞の最後にはこう書かれています。

 

Tis(It isの短縮形) grace that brought us safe thus so far, ,and grace will lead us home.(私たちをこのようにはるか彼方にあった安全に導いたのはまさに恵み、そして恵みは私たちを家へと導くだろう)

 

やっぱり家っていいな・・・(やっぱりそういう結論か)。

 

今年は、新型コロナ感染症の広がりで苦難の年でしたが、本田さんの美しい歌声を聴きながら、気分を新たにして新年を迎えたいと思います。

 

皆さま、今年も有難うございました。よいお年をお迎えください。



2020年12月31日(木)

 第204話 こころの絆
投稿:院長

今月は、思い入れのある患者さんとの別れの月のようです。

 

先日、2年半にわたって在宅医療を受けられていた方がお亡くなりになりました。

 

今日、ご紹介するのは、患者さんの奥様が、昨年6月に介護経験者の体験を編集した本・こころの絆・私の介護体験記に寄せられた手記です。

 

再び口から食事

 

昨年、誤嚥性肺炎で入院した夫は、口から食べられなくなり、鼻からの経管栄養になりました。以前に患った脳梗塞の後遺症で、話すことも思うようにできず、イライラして管を抜いてしまうこともありました。

 

やがて体の状態は要介護5となり、医師から「余命はわずか」と。私は同居の娘家族に背中を押され、自宅での介護を決意しました。

 

退院した夫は、在宅医療と訪問看護の方に支えられ、体調が少しずつ改善。半年ほどたった昨年末の夫の誕生日に医師から「管を抜いて口から食べてみましょう」と言われたのです。

 

再び口から食べられるのが夢のようで、皆で大喜び。夫は右利きですが、今は左手でスプーンを持ち、とろみのある介護食などを食べています。茶の間のベッドで、庭に咲く花を見たり、懐かしい歌を聴いたりして楽しむ夫。「じいちゃん大好き」と頬を寄せ、何か手伝おうとする幼い孫たちを格別の笑顔で迎えます。

 

介護は多忙ですが、永らえた命に感謝し、夫と暮らせる日々を大切にしていきます。

 

患者さんやご家族、支えて下さったスタッフの皆さんと、貴重な時間をご一緒できたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

ご冥福をお祈りいたします。





2020年12月28日(月)

 第203話 夢の新婚生活
投稿:院長

ある進行性の神経の病気を患われていた方の話です。

 

病気が進行しても、人工呼吸や人工栄養は行わずに自然に生きたいというのが彼の願いでした。

 

病気の進行が早く、自力での食事が困難になってきましたが、取り乱すこともなく、淡々と現実を受け入れ、いつも穏やかな表情を崩しませんでした。

 

そんな彼が、両親と暮らす家を出てアパートに引っ越したいと言い始めました。

 

えっ、どうして?と周囲は疑問に思いましたが、彼の夢はとうとう実現しました。

 

アパートに引っ越して最初の診察で自宅を訪問しました。

 

その時に見たものは、大柄な彼とは対照的な小柄な女性でした。優しそうなその女性を見た時、彼女と一緒に生活したかったのか!と納得しました。

 

そして、彼女の献身的な介護を受けながら、彼が実現したかった幸せな時間を過ごしました。

 

しかし、彼の病気はどんどん進行し、自分で痰を出すことも、食事を飲み込むこともまったく出来なくなりました。

 

意識が遠のく中、「どうして、アパートに引っ越したいのか大変よくわかりました。“新婚生活”を楽しんで下さいね」の言葉に、嬉しそうな笑顔を返してくれたのが彼との最後のやり取りになりました。

 

その翌日、最愛の彼女に見守られながら彼は永遠に旅立ちました。

 

今まで、私たちとお付き合い下さいましてありがとうございました。どうか、安らかな時間をお過ごしください。合掌。


2020年12月22日(火)

 第203話 もっと診察を!
投稿:院長

定期的にある高齢の女性の自宅を訪問しています。

 

この患者さんは一人暮らしですが、物忘れがあるので近くに住むご長男の見守りを受けながら生活されています。

 

昨年、ご主人を亡くされたのですが、持ち前の明るさで深い悲しみからようやく立ち直ろうとしています。

 

この患者さんは、とにかく常に何かやることを見つけては体を動かすのが日課です。要するに、とてもせっかちなのです。

 

庭の草を見れば、間髪入れずに草むしりに励みます(私はこの家の庭の草にはなりたくありません)。

雪が降ればすぐに出動し、庭の雪かきに励みます。

座布団は床暖房が効いた床に敷き詰めてせっせと「床乾燥」に励みます。


私たちが訪問すれば、私たちをもてなそうと一生懸命になり、床に敷き詰めた座布団を取り込んだり、テーブルの上を片づけたり、お茶を入れようとしたり、私たちに椅子を勧めようとせわしく動き回り、診察になかなか入れません。

 

こうして、今日も「前置きがとても長く診察時間が短い訪問診療」が続き、今年1年が過ぎようとしています。

 

来年の目標?

 

もっと診察する時間を下さい!


2020年12月16日(水)

 第202話 寒くても温かい日
投稿:院長

先日、初めての診察で患者さんの自宅を訪問した時のことです。

 

診察の終わりに患者さんが「妹が大変お世話になりました」とおっしゃったので、詳細を聞いてみたところ、今年の3月にお看取りしたある患者さんのお姉さんだったのです。

 

この妹さんというのは、進行性の病気を患いながらも、いつも温かく私たちを迎えて下さり、最期まで人としての優しさや尊厳を失わずに一生懸命生きた方です。

 

とても思い入れの深い方だったので、すぐに思い出し、言われてみるとこのお姉さんの何気ない表情、笑顔、笑い声が妹さんに瓜二つではありませんか!

 

まるで、妹さんと再会したかのような気持ちになりました。

 

ということで、その日はとても寒い一日だったのですが、ぽかぽかと心温まる日になりました。

 

本格的な冬を前にして、心温まるような触れ合いを重ねていきたいと思います。


2020年12月9日(水)

 第201話 ストレス発散
投稿:院長

先日、ある職員に普段のストレス発散はどうしているのか聞いたところ、「子供のスポーツの試合を観に行くこと」という答えが返ってきました。

 

私の場合、自分で体を動かしてストレスを発散することが圧倒的に多く、他人のスポーツの試合を観てストレスを発散することはとても少ないのです。

 

そんな中、私の子供も成長し、スポーツに打ち込むようになって逞しくなってきました。

 

しかし、私が試合を観に行くことは子供から固く禁じられていました。

 

その理由? うるさいから(笑)。

 

ある日、スポーツ少年団に所属する次男のサッカーの試合をこっそりと観戦に行ったことがありました。

 

グラウンドに立つ看板の後ろに身を潜めて観戦していましたが、あいにく強豪チームとの対戦だったようで、全くいいところなく負けてしまいました。

 

おまけに、サブグラウンドで練習していた他のサッカーチームのボールが私の足に直撃してしまいました。

 

すると、このサッカーチームの監督から、「そこのお父さんね。そんなところにいると危ないよ。試合を観るんだったらもう少し近くで観たらどうですか?」と注意を受けてしまいました。

 

こうして、ボールが直撃した足を引きずりながら帰宅することになってしまいました。

 

夕方、サッカーの試合から帰宅した次男が言うには、第一試合(私がこっそり観戦した試合)では負けたが、第二試合、第三試合(私が帰宅した後の試合)で1ゴールずつを決める活躍を見せ勝利したとのことでした。

 

私の場合、他人のスポーツの試合を観てストレスを発散することはまだまだ遠い先の話になりそうです。

 

父の試合会場の出入り禁止、早く解除にならないかな・・・。 


2020年12月2日(水)

 第200話 Go To びよういん
投稿:院長

早いものでブログも記念すべき200話になりました。

 

患者さんは、入院生活を経て在宅医療に移行する人が多いのですが、住み慣れた自宅に戻ると「入院生活は快適だった。また病院に戻りたい」と考えている人はほとんどいません。

 

長い入院を経て退院した患者さんの日課の一つがリハビリです。

 

リハビリには通所で行うリハビリと理学療法士が自宅を訪れて行う在宅リハビリがありますが、特に後者は自宅の環境に合わせたプログラムを組むことができます。

 

スポーツ選手がケガをすると「過酷なリハビリを経て復帰した」などと表現されることがありますが、一般のリハビリは患者さんの状態に応じて段階的に行われますので強い苦痛を感じることは非常に少ないと思います。

 

むしろ、今までできなかったことができるようになるという喜びを感じながら生き生きとした表情でリハビリを受けている人が多いです。

 

リハビリの目標は、単に一人で座れるようになる、立ち上がれるようになる、歩けるようになるだけでなく、具体的な目標があったほうがより効果的です。

 

外出して買い物をしたい、外食でおいしいものを食べたい、桜や紅葉を見に行きたい、孫に会いに行きたい、夜の国分町で遊びたい(?)、などなどリハビリの目標は人それぞれです。

 

ある女性は、1年をかけてベッド上の生活から車椅子で自宅近辺を散歩できるようになりました。

 

この女性のリハビリの目標は・・・病院・・・ではなく美容院に行くこと!

 

コロナ禍が終息したら、「Go To 美容院」が実現できますように。


2020年11月26日(木)

 第199話 調子のバロメーター
投稿:院長

訪問診療では、患者さんやご家族はさまざまな表情を見せて下さいますが、それぞれ調子が良い時の表情やしぐさというのがあります。

 

そのうち、もっとも多いのが屈託のない笑顔と笑い声です。

 

こんな時は、とても話が弾み、とても温かい雰囲気の中で診療を行うことができます。

 

それ以外に、最近、あるしぐさは患者さんの調子の良さを示す良いベロメーターではないかと考えるようになりました。

 

それは足を組むことです。

 

ある患者さんは、初めて往診した時に、苦悶の表情を浮かべてひどい腹痛を訴えており、病院に紹介し入院することになりました。

 

退院後、2回目に診察した時は、今度は全身の関節痛のため、ベッドに横たわりながら苦痛にあえいでいる姿をみることになりました。

 

膝の関節液を取って分析した結果、偽痛風と診断し、ある薬の内服を開始して様子を見ることになりました。

 

そして3回目に診察では・・・なんと椅子に座って足を組んでいるではありませんか!

 

患者さんが初めて見せてくれた穏やかな表情とゆったりとした姿に感激したのでした。

 

それ以来、「足を組んでゆったりと椅子に座っていられる」というのは人の心身の余裕度を示しているのではないかと考えるようになりました。

 

そういう目線で他の患者さんを診察すると、他にもいるいる(笑)。

 

今では、この仮説はきっと正しいと信じています。

 

腕組みしながら必死に考えごとをするよりも、足を組みながらゆったりと座っていられるようなそんな時間を過ごしたいものです。


2020年11月21日(土)

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