仙台市若林区の診療所  医療法人社団太陽会 仙台在宅支援たいようクリニック 【訪問診療・往診・予防接種】
ホーム > 院長ブログ・診療日誌

院長ブログ


 第121話 “郷土料理”
投稿:院長

ある施設に入所中の患者さんは、亘理町出身です。

 

ご家族や職員の献身的な介護を受けながら、とても穏やかに生活されています。

 

この患者さんが、一時食欲が低下した際に職員がとった方法があります。

 

それは、名付けて「亘理町の特産品作戦」。

 

ご家族が亘理町から持ち込んだ食材で、「亘理のお米ですよ」「亘理のイチゴですよ」と声掛けをして食事を介助したところ、「亘理」という言葉に反応し、食欲がみるみる回復したそうです。

 

患者さんの郷土愛を上手に使った見事な作戦ですね。

 

気になった私は、亘理町の特産品を調べてみたところ、はらこ飯、ホッキ飯、あさり飯、シャコ飯、りんご、ぶどう液、かまぼこ、かにみそ・・・・たくさんありすぎてびっくりしました。

 

この先、患者さんの食事がグレードアップし、「亘理のはらこ飯ですよ」と声を掛けられて食事をすることがあるかもしれませんね。

 

えっ、手元に亘理の食材がない時にはどうするか?

 

時々の「産地偽装」お許し下さい・・・。


2019年12月10日(火)

 第120話 頭が悪い?
投稿:院長

高齢者の中には、「私は頭が悪いから」などと謙遜する方が多いです。

 

そんな時、「本当に頭が悪い人は、自分の頭が悪いかどうかも分からなくなっているので、自分で自分の頭が悪いという人はまだ大丈夫ですよ」と返答しています。

 

しかし、大抵は、「でもね、忘れ物ばっかりしているからやっぱり頭が悪いんです」と謙遜を譲らないので、私も「本当に頭が悪い人は、忘れ物をしたことも忘れているので、自分で自分を忘れっぽいという人はまだ大丈夫です」と、謙遜⇒その否定を繰り返す“押し問答”がしばらく続くことになります。

 

そんな時、私は時計を見ながら「自分はまだイケてることを早く認めて!」と心の中で叫んでいます(笑)。

 

ちなみに、私が知る頭が冴えている高齢者の代表は、「デーサービスで、同じことばっかり喋る人がいるんだけど、いつも初めて聞くようなふりをして愛想笑いをしているんです」などと、“認知症が進んでいる人”を診断し、空気を読みながら対応している96歳のおばあちゃんです。

 

ちなみに、認知症が進んでいると診断された方の年齢は、85歳と88歳だそうです。

 

実は、「デーサービスに行くと、喋る相手がいなくて行きたくない!」という方も少なくはないのですが、このおばあちゃんは、人間ウオッチャーをしながら、デーサービスでの生活を楽しんでいるようです。

 

私もうっかりと、このおばあちゃんに対して「ご気分はいかがですか?」とか「調子はいかがですか?」などと、同じ質問ばかりにならないように注意が必要ですね。


2019年12月5日(木)

 第119話 バージョンアップ
投稿:院長

私が今まで担当した患者さんには、多くの「ゆきお」さんがいらっしゃいましたが、今日は、その中のある「幸男」さんのちょっといい話です。

 

ある日、幸男さんの診察をしている時でした。

 

傍らには奥さんが優しく見守っていらっしゃいます。

 

私が診察の終わりに幸男さんに向かって、「幸男さんの名前の通り、これからも奥さんと幸せに過ごしていきましょう!」

すると幸男さんは、「私の名前の幸男のおの字は男ですが、実は男ではなく夫の方が良かったんです」

 

この意味は、両親が名付けてくれた幸男さんも、奥さんと結婚し、幸せな夫、幸せな夫婦になることができたというのです。

 

つまり、奥さんと結婚し、奥さんと二人三脚の生活をしているうちに、幸男さんから幸夫さんに見事にバージョンアップしたのです!


幸男と名付けたご両親も、きっと喜んでいることでしょう。

 

えっ、この言葉を聞いた私はどんな気分だったか?

 

もちろん、その日はとても温かくて幸せな気持ちに包まれ、「福男」になったような気分でした。


2019年12月2日(月)

 第118話 自分の名前
投稿:院長

最近は、自筆で文章を書く機会が減り、自分の名前を書くこともだんだん少なくなってきているかもしれません。

 

しかし、まだまだ日常生活で自分の名前を書くことはあります。

 

ある患者さんは、選挙の在宅投票に向けて、自由が利かなくなった手で何度も練習を重ねて、見事に有権者の権利を行使しました!

 

そして、投票用紙の署名欄に書いた自筆の名前は、リハビリの証として記念写真に収められています。

 

また、この季節は、インフルエンザ予防接種が真っ盛りです。

 

高齢者に配布される問診表にも署名欄があり、患者さんが自分自身で記載することになります。

 

問診票に書かれている名前を拝見すると、たとえ文字の大きさが不揃いだとしても、枠線をはみ出していたとしても、患者さんが一生懸命に署名している姿が思い浮かび、心を打たれます。

 

そんな私も、様々な書類に自筆でサインすることが少なくありません。

 

時に、何枚もの書類の医師署名欄に、ひたすら自分の名前を書くことがありますが、自分の名前は画数が多く、だんだんと文字が乱れてくるのが悩みです。

 

こんな時、北一(きたはじめ)という名前だったら、さぞかし署名が楽なのに・・・なんて邪道な考えが頭をよぎったりします(笑)。

 

実は、学生時代、いつも1回で読んでもらえない自分の名前をなかなか好きになれなかった時があります。

 

しかし、大人になり、両親がつけてくれた自分の名前の由来を深く理解できるようになるにつれ、とても誇らしく感じられるようになりました。

 

ということで、これからは、患者さんのように心を込めて、誇りを持って自分の名前を書いていこうと思っています!

 

もし、自分が「後藤孫兵衛景康(ごとうまごべえがげやす)」のように、伊達政宗公に仕える家臣のような名前だったら・・・・・・・・たいようクリニックは「御天道様醫院(おてんどうさまいいん)」と名付けられ、書類の署名にやたら時間がかかって事務職員を困らせていたのかも?なんて変な想像を働かせています。


2019年11月27日(水)

 第117話 いい夫婦の日
投稿:院長

今日は、1122日で「いい夫婦の日」でした。

 

私が今まで訪問してきた家庭で、とても素敵だと思えるご夫婦に数多く出会ってきました。

 

その中でも、とても印象深いご夫婦があります。

 

それは80代の女性Aさんご夫婦です。

 

実は、Aさんのご主人は、もうお亡くなりになっているのですが、ご主人と共に歩んだ長い人生について、Aさんは昨日の出来事のように嬉しそうに、そしてちょっぴり恥ずかしそうに話して下さいます。

 

そして、話に添えられる言葉はいつも「とても優しい人だったのよ」

 

そして今、部屋に置かれたご主人の遺影は、いつも優しくAさんを見守っています。

 

ご主人の遺影の周りには、好きだった果物、お菓子、甘酒が必ず置かれ、Aさんの変わらない愛情が今でもご主人に注がれています。

 

Aさんご夫婦から学んだことがあります。

 

「たとえ伴侶を失ったとしても、いい夫婦というのはちっとも色褪せたりしない」

 

今日、帰宅して妻に聞いてみました。

 

私「今日は何の日だか知っている?」

妻「いい夫婦の日でしょ」

 

えっ、それだけ?(笑)


2019年11月22日(金)

 第116話 どっちか迷ったら・・・
投稿:院長

人は外見では判断がつきにくいことがあります。

 

例えば、赤ちゃんです。

 

最近は、ベビー服の色で性別がわかることも多いのですが、以前は男の子か女の子か見分けがつかないことがありました。

 

こんな時は、まずは、「かわいいですね。女の子ですか?」と聞いておきましょう。

 

最初の「かわいい」を強調しておけば、たとえ男の子だったとしても、聞かれた親は悪い気がしないでしょう。

 

訪問診療では、女性の年齢の見分けがつかないことがあります。

 

私の場合、患者さんの娘さんを、奥さんと間違えて大失敗したことがあります(笑)。

 

この失敗から得た教訓は、「どっちか迷った場合は、年齢が若い方に言っておく」です。

 

まずは、「娘さんですか?」と聞けば、聞かれた相手が奥さんであっても悪い気がしないでしょう。

 

話が変わりますが、今日の診療の合間での話です。

 

ある施設職員のお腹が出ているので、「もしかしておめでた?」と恐る恐る聞いてみたところ、「はい、そうです!」

 

この答えに、思わず「あ〜自腹でなくてよかった!」とこぼしてしまい、私も聞かれた職員も大笑いでした。

 

もちろん、こんな質問ができるのは普段から顔を合わせているからで、面識のない人にするのはやめておいた方がよいでしょう。

 

ともあれ、元気な赤ちゃんが生まれますように!

 

この職員に赤ちゃんが生まれたら・・・「とてもかわいい女の子だね!」と声をかけようかと思っているところです。


2019年11月19日(火)

 第115話 心境の変化
投稿:院長

誰の人生にも、大切な人との別れは必ず訪れます。

 

そして、その悲しみや喪失感からどう向き合い、立ち直り、乗り越えていくのか、人生のテーマの一つかもしれません。

 

前回、「奇跡とも言える父との縁に感謝し、父が大切にしていた心を受け継いでいくことで、この悲しみから立ち直ろうと思います」と記しました。

 

父が亡くなってから1週間が経過し、自分自身の心境の変化について書きたいと思います。

 

亡くなった直後は、喪失感や、もっと何かやってあげられることがあったのではないか?という思いが尽きなかったのですが、その後、私の心境に変化が生じてきました。

 

亡くなる瞬間まで、父らしく精いっぱい生きた

最期は苦しまずに、私たちとお別れの言葉を交わすことができた

残された私たちは、父とのたくさんの思い出を共有することができた

残された私たちは、父の大切にしている心を受け継ぐことができた

父にとって最愛の母が、父のために悔いなく介護をやりきることができた

 

もちろん、全くやり残したことがなかった、悔いがなかったというわけではありません。


しかし、父の死を悲しむのではなく、父の今までの人生を肯定的に考えることで、次第に前を向いて生きていく力が生まれてきています。

 

今回、父との別れを経験し、人にはそれぞれの人生があり、家族があることを強く意識する貴重な機会になりました。

 

この貴重な機会を無駄にしないよう、「その人らしく生きる」とはどんなことなのか、想いを巡らせながら生きていこうと思います。


2019年11月16日(土)

 第114話 死を乗り越える
投稿:院長

117日、最愛の父が亡くなりました。

 

一人になると、涙が溢れてきます。

 

父が元気な頃は、父の存在は当たり前のような感覚でいましたが、どんなに近くて強い絆で結ばれた間柄でもいつかは終わりがきます。

 

当たり前だと思っていた時に、もっとしてあげられることはなかったのか?という思いが尽きません。

 

地球には多くの生物が存在していますが、人として父の子供になり、一緒にいられたのは奇跡的なことです。

 

形あるものは、変化しながらいつかは終わりが来る。しかし、その人の残した心は、次の世代に受け継いでいくことができます。

 

この奇跡とも言える父との縁に感謝し、父が大切にしていた心を受け継いでいくことで、この悲しみを乗り越えようと思います。

 

そして、それが父に対する最大の供養になると信じています。

 

皆さんの周囲にも、その存在が当たり前だと思っている大切な人がいることと思います。

 

だからこそ、もっとしてあげられることはなかったのか?と後悔しないよう、今を大切にしていきたいものです。


2019年11月12日(火)

 第113話 思いを伝える
投稿:院長

人間誰でも、人生の終わりがやってきます。

 

患者さんの死に立ち会うことをお看取りすると言いますが、残された家族にとってよい看取りとは何でしょうか?

 

もちろん、「患者さんの苦痛が少ない」、「亡くなる時に立ち会うことができた」、ということも大切なのですが、家族にとって良い看取りとは、「家族が患者さんに思いを伝えられた」、「患者さんから家族に対して思いを伝えられた」ということが最も重要なのです。

 

今まで 照れてそんなこと言えなかった、という方もいらっしゃると思いますが、今こそ大切な人に思いを伝えましょう!そして、大切な人からのメッセージを受け取りましょう!


2019年11月7日(木)

 第112話 父との約束
投稿:院長

先週の週末、新潟の実家に1泊だけ帰省しました。

 

それは、父との約束を果たすためです。

 

ここ数年、めっきり体力が低下し、今年から特別養護老人ホームに入所していましたが、私が帰省した時に実家に外泊する約束をしていたのです。

 

この日に合わせて、施設では、夕食に食べる嚥下食を用意し、ポータブルトイレを貸して下さいました。

 

介護タクシーに乗って、父にとって半年ぶりの帰宅です。

 

実家では、簡易ベッド、座椅子を使った背もたれ、ベニヤ板で作ったテーブルを用意し、この日に備えました。

 

父が生まれてからずっと過ごした実家は築100年以上。

 

家族で食卓を囲んだ日、一緒に屋根の雪下ろしをした日、酒を酌み交わして饒舌に語った日、母と口げんかした日・・・。

 

実家には、家族の思い出が染み込み、この場所で起こったことが昨日のことのように思い起こされます。

 

今は、自力で起き上がることもできなくなり、眠ってばかりで口数も少なくなってしましましたが、久しぶりの実家に気分がよさそうです。

 

すっかり痩せてしまった体に涙が出そうになりましたが、今までの感謝の気持ちを込めて食事の介助、トイレの介助、清拭、着替えを行いました。

 

深夜、隣で寝ていたところ、ドスンという音がして慌てて目を覚ますと、案の定、柵のない簡易ベッドから転落していました。トイレに起きようとしたようです。

 

しかし、あらかじめ座布団をマット代わりに、三重に敷き詰めていたので、全くケガはありませんでした。

 

父をゆっくりと抱きかかえてベッドに戻すと、小さな声で「どうもな」と言葉を発しました。

 

あと、どれくらい親孝行ができるかわかりませんが、今日、約束を果たせて本当良かったと感じました。

 

翌朝、母が、来年の年賀状を見せてくれました。そこには、父が施設で創作した俳句が添えられていました。

 

来年の正月に、仙台にもこの年賀状が届きますように・・・と願いながら実家を後にしました。

 

今、担当している患者さんには、私の父と年齢が重なる方が大勢いらっしゃいます。

 

ご家族の心の中に、父と過ごした日々が良い思い出として刻まれるよう、それぞれの約束を果たしていきたいと改めて思いました。


2019年11月2日(土)

<<前のページ 最新 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 最初 次のページ>>

現在9ページ目を表示しています



医療法人社団太陽会 仙台在宅支援たいようクリニック
〒984-0037 宮城県仙台市若林区蒲町30-3
022-355-2533

Copyright (c) Sendai Home-care Support Clinic All Rights Reserved.