仙台市若林区の診療所  医療法人社団太陽会 仙台在宅支援たいようクリニック 【訪問診療・往診・予防接種】
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院長ブログ


 第71話 高齢者ってすごい!パート9
投稿:院長

90台のHさんは、2歳年下の夫を持つ姉さん女房です。

 

そんなHさん、すっかり足腰が衰えましたが、「かかあ天下」は今も健在で、夫に対する言葉はちょっぴり辛口。

 

しかし、旦那さんは、Hさんからいつも浴びせられる辛口の言葉にも、難聴のためなのか、快感を感じるためなのか、全く動じません(笑)。

 

それどころか、Hさんに対する愛情(忠誠心?)は人一倍で、Hさんが風呂に入ろうものなら、深い愛情を込めてHさんの体の隅々まで洗ってしまいます。

 

そんな旦那さんの趣味は園芸。

 

雑草の全く生えていない自宅の畑には、区画ごとに数々の花や野菜がきれいに並んでおり、一つ一つの作業に深い愛情が込められていることがよくわかります。

 

旦那さんの願いは、取れたての新鮮な野菜で、早くHさんに元気になってもらうこと。

 

旦那さんの願いが早く成就しますように。

 

介護を通した直接の愛情と、野菜を通した間接の愛情を、絶えることなく、愛する人のために注ぎ続けられる高齢者ってすごい!

 

えっ、愛情のエネルギー(肥やし)は、もしかして妻から浴びせられる辛口の言葉!?

(次回はパート10を紹介します)

2019年6月6日(木)

 第70話 高齢者ってすごい! パート8
投稿:院長

Gさんは、90代の女性です。


今はすっかり足腰が衰えてしまいましたが、心は若い時のままでエネルギッシュそのものです。

 

ある日、診療中にGさんから、「私からのラブレターです。是非読んで下さい」と封筒を渡されました。

 

ラブレターをもらったのは中学校以来なので、約40年ぶりです(笑)。

 

後で封筒の中身を確認してみると、入っていたのは○○党所属の市議会議員と参議院議員を紹介するパンフレットと後援会入会申込書でした(笑)。

 

パンフレットには、「誰もが安心して暮らせる街づくり」「心の復興」「あなたの未来を元気アップ」「現場第一」などど、在宅医療を行う立場でも使える小気味よいフレーズが満載。

 

議員の皆さんにとってGさんは、まさに母のような存在なのでしょう。

 

Gさんの病状はけして芳しいとは言えないのですが、長い間、信頼できる仲間の政治活動を支えてきたことも、生きるエネルギーの源だったのですね。納得。

 

年齢を重ねて、様々な病気を抱えていても、応援したり、信頼できる、心のよりどころを持っている高齢者ってすごい!

 

ちなみに私の公約は・・・「Gさんが安心して後援会活動できる体づくり」です。


(次回はパート9を紹介します)



2019年6月3日(月)

 第69話 高齢者ってすごい! パート7
投稿:院長

ある不治の病を持つ80代のGさんは、足腰が衰えてベッド上の生活でした。

 

しかし、お花見をすることと、数か月後に行われる市長選挙の投票に行くことを目標に、在宅酸素を受けながら自宅で懸命にリハビリに取り組みました。

 

その結果、自分の足で車椅子に移乗できるようになり、近所に咲いた見事な桜の木の前で、お孫さんと一緒に記念撮影をすることができました。

 

そして選挙当日、一本の電話が入りました。

 

「無事選挙に行ってきたよ」


受話器の向こうから聞こえてきたのは Gさんの声。


それは、選挙を通して、市民としての役割を果たすことができた喜びと充実感に溢れていました。

 

誰よりも思いのたくさん詰まった一票だったに違いありません。


 Gさん、本当におめでとう。

 

そして、選挙の数週間後、Gさんは目標を叶えた喜びと共に旅立たれました。

 

しかし、Gさんの自宅には、満開の桜の前で微笑むGさんの笑顔が、今もご家族を見守ってくれています。

 

たとえ残された時間が短くとも、目標を持ってやり遂げることの大切さを教えてくれる高齢者ってすごい!


(次回はパート8を紹介します)



2019年5月31日(金)

 第68話 高齢者ってすごい! パート6
投稿:院長

在宅医療で最も大きな力となるもの・・・それは人間同士の絆です。

 

難病のFさんは、徐々に衰える自分の身体と向き合って生きてきましたが、その傍らには常に奥さんがいました。

 

ある日、夫婦喧嘩の真っ最中に訪問したことがありました。

 

お互いにすごい剣幕で“言葉の弾丸”が行きかう中、私は慌てて仲裁に入り、何とか落ちつきを取り戻すことができました(流れ弾に当たらなくて良かった・・・)。

 

でも私は全く心配していませんでした。

 

結婚してから山あり谷ありの夫婦関係でしたが、二人でいろんなことを乗り越えてきたからこそ今がある・・・それを知っていたからです。

 

三浦友和、百恵夫妻のように、一度も喧嘩したことがないという夫婦関係も理想的かもしれませんが、相手が病人だろうが、互いをぶつけ合い、普段通りに接することができるすごい夫婦なのです。

 

Fさんの病状が少しずつ進行する中、奥さんが漏らした一言が忘れられません。

 

「ここまで来たし、夫婦なんだから頑張ります。この人はいつも強気なことばかり言っていますが、やっぱり私なしではダメなんです」

 

とても深くて重い言葉です。


3組の夫婦のうち1組が離婚してしまうという世の中、良いことも悪いこともすべてを糧にして夫婦の絆を深めてきた高齢者ってすごい!


(次回はパート7をお送りします)



2019年5月28日(火)

 第67話 高齢者ってすごい! パート5
投稿:院長

Eさんはあと数年後に100歳を迎える女性です。

 

実はEさんは、ある病気のために輸血を受けたばかりです。

 

貧血の進行を見逃さないように注意して診察していますが、一見、顔色だけをみても貧血かどうかはさっぱりわかりません。何故?

 

実はEさん、訪問診療の予定日は、お化粧をして待って下さっているのです。

 

眉毛は日本人形のように繊細に描かれ、唇は真っ赤な口紅! 着衣はまるでどこか観光に出かけるかのような装いです!

 

そして、Eさんは病気を抱えていてもいつも前向き。明るく素敵な笑顔で私たちを迎え、最近の出来事をたくさん話して下さいます。

 

医師によっては、顔色を診るために患者さんに対して素顔で受診するように指示を出す場合もあるのですが、当クリニックではお化粧大歓迎。

 

何歳になっても、自分の身だしなみを大切にしている高齢者ってすごい!


(次回はパート6をお送りします)



2019年5月22日(水)

 第66話 高齢者ってすごい パート4
投稿:院長

車椅子で生活するDさんは、メガネの奥に覗く優しい目、口紅を塗っているのかのような鮮やかな色の唇、艶のある肌、そして穏やかな語り口がとても上品な方です。


ある日の診療の中での会話です。

 

私「Dさんは、いつ見ても健康的で上品なお顔ですね」

 

Dさん(微笑みながら)「あらっ、そうですか?どうも有難うございます」

 

そんなやり取りを聞いていたご家族(笑いながら)「先生〜、そんなに褒めても何も出てはきませんよ」

 

その直後にDさん「私は若い先生に診てもらって嬉しいです」

 

何も出てこないどころか、Dさんから私に対する最大級の褒め言葉が飛び出し、皆で大笑いしました。

 

私自身、遠い過去に忘れ去られていた「若い」という“魔法の言葉”に乗せられて(笑)、気持ちよく一日を過ごせたのは言うまでもありません。

 

何歳になっても、機転の利いた会話ができる高齢者ってすごい!


(次回はパート5をお送りします)



2019年5月20日(月)

 第65話 高齢者ってすごい パート3
投稿:院長

90歳代のCさんは、全盲でベッド上の方です。

 

しかし、Cさんの生活ぶりをみると・・・・食事は自立、ポータブルトイレでの排泄も自立、内服薬の管理も自立され、残っている薬の日数まで把握されています。

 

さらに、ここだけの秘密ですが、枕の下には預金通帳と財布が置かれ、金銭の管理も自分で行っています(ヒソヒソ)。

 

さらに、手の届く範囲には、テレビとクーラーのリモコンが置かれ、まるで目が見えているかのようにリモコンのボタンを操作します。

 

こうして、自分で室温を調整しながらニュースや情報番組を聞いて一日を過ごします。


ある日の診察中、枕もとに「孫の手」を発見した私は、Cさんにお願いして、実際にどう使うのか実演してもらいました。

 

Cさんは照れた表情を浮かべていましたが、これを手に取ると、器用に操っていつものセルフケアを実演してくれました。

 

これを間近で見た診療チームは思わず拍手喝采。

 

こうしてCさんのベッド上は、見事な“演劇の舞台”になったのでした。

 

ちなみに演劇名は「かゆいところに手が届く」です。

 

今は亡きCさん、天国の舞台でも孫の手を自由自在に操っているのでしょうね。

 

障害を持ちながらも、人に迷惑を掛けまいと、いつまでも自立した生活を送ろうと努力し、人の心を和ませることができる高齢者ってすごい!


(次回はパート4をお送りします)



2019年5月16日(木)

 第64話 高齢者ってすごい パート2
投稿:院長

90歳台のBさんは足の骨折から見事に回復し、歩行器につかまりながら自宅の中を歩けるようになっていました。

 

Bさんの目標は東京オリンピックを観戦することです。

 

しかしある夜、誤ってベッドから転落し、再び足に激痛が走り歩けません。

 

ご家族が「診療所に電話を掛けようか?」と聞いても「こんな時間に先生に迷惑が掛かるから我慢する」

 

さらに「救急車を呼ぼうか?」と聞いても「こんな時間に救急隊の人に迷惑が掛かるから我慢する」

 

こんな調子で一夜を明かしたのでした。

 

翌日、ご家族から連絡があり、自宅に往診したところ、足の付け根がパンパンに腫れあがっていました。

 

「よくこの状態で一晩我慢しましたね。お疲れ様でした」

 

痛いはずのBさんは、そんな状態でも私達を温かく迎えて下さいました。そして最寄りの病院に連絡し、Bさんは入院となりました。

 

そして今、Bさんは無事に手術を終えて自宅で生活されています。

 

歩行は少し大変になりましたが、自分の力で立ち上がり、車椅子に乗ることができます。

 

どんなに痛い思いをしても、他人を気遣う気持ちをけして忘れない高齢者ってすごい!

 

東京オリンピックを元気にテレビ観戦しているBさんの姿が目に浮かびます。

 

(次回はパート3をお送りします)



2019年5月11日(土)

 第63話 高齢者ってすごい 
投稿:院長

在宅医療は文字通り家庭の中に入っていく医療です。

 

患者さんには、「診療日には必ずしもベッドに横になって待っている必要はなく、普段通りの生活をしていて下さい」と話をしています。

 

それは、茶の間でテレビを見ていたり、食事をしていたり、庭の鑑賞や手芸をしていたり、患者さんの普段の様子を観察したいからです。

 

ある日、90歳代のAさんの部屋に入っていくと、ベッド脇のポータブルトイレに座り、用を足されているところでした。

 

慌てて部屋を出ようとすると、Aさんはにっこり笑いながら、「あらっ、来て下さったのね。いつもお世話になって有難うございます」と握手して下さいました。

 

便器に座っている方と握手するのは初めての体験でしたが、何があっても動じず、常に笑顔で接して下さるAさんに敬服してしまいました。

 

どんなことがあっても感謝の気持ちを“水に流したりせず”、常に持ち続けて表現できる高齢者ってすごい!

 

(次回はパート2をお送りします)



2019年5月10日(金)

 第62話 “夢”から日常へ
投稿:院長

いよいよ大型連休も今日で終了し、普段の生活に戻ることになります。

 

今年は10連休という方も多かったようですが、長い休みが即ハッピーというわけではありません。

 

特に職場や学校に通っている場合、長い休みから気持ちを切り替えることが難しく、憂うつな気分で今日を迎える方も多いでしょう。

 

私の場合、52日から5日までの休みの期間中、自分や妻の実家で過ごしましたが(この間は非常勤ドクターに患者さんの対応をお願いしていました)、この期間中も就寝時間と起床時間は普段と一緒、高齢者(両親)の健康相談も普段と一緒、読書や運動、子供の宿題のサポートなどの日課も普段と一緒(笑)という毎日を過ごしていたためか、昨日から始まった1日早い「仕事始め」も、ほとんど苦労せずに切り替えることができました。

 

一方、連休中はかかりつけの医療機関が休診となり、この間に体調を乱し、どこで診察を受けたらよいのか迷ったり、ずっと我慢して過ごしていた方も少なくはないと思います。

 

せっかくの大型連休でストレスを抱えないために、精神面では普段の基本的なリズムを保ったまま生活することと、健康面では万が一のことを想定し事前に準備を整えておくことが大切だと感じています。

 

連休中に夢のような時間を過ごした方も、悪夢のような時間を過ごした方も、夢から上手に切り替えられますように・・・。



2019年5月7日(火)

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