仙台市若林区の診療所  医療法人社団太陽会 仙台在宅支援たいようクリニック 【訪問診療・往診・予防接種】
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院長ブログ


 第105話 個別サービスの未来
投稿:院長

多くの老人施設では、施設のレクレーションに参加して楽しそうな表情をしている入所者の写真が飾られています。

 

その中の一枚に、ある回転寿司で撮影された写真がありました。

 

施設の職員に聞くと、「毎年、入所している方が行きたい場所を個別に聞き出して、希望が叶えられるように職員が同伴して外出しています」とのこと。

 

車椅子姿で写真に写っている患者さんに聞くと、「寿司はとてもおいしかったよ。今度はラーメンを食べに行きたいね!」と嬉しそうに語って下さいました。

 

施設のきめ細かいサービス精神に感心した私は、施設職員に向かって冗談を飛ばしました。

 

「もし自分が年を取ってこの施設に入所することになったら、ディズニーランドに連れてってくれ!連れてってくれなければ暴れてやる!と檄を飛ばしてみようかな?(※)」

 

 突然の無茶ぶりに動揺した職員は、「ええと・・・それは困ります。ディズニーランドじゃなくてベニーランド(※)なら考えてみます・・・(冷汗)」

 

このやりとりを聞いていた看護師さんや施設職員は大爆笑でした。

 

30年後、ベニーランドのジェットコースターでは、施設職員の付き添いを受けた迷惑老人が、入れ歯を飛ばしながら絶叫している異様な光景が見られるかも!?

 

※「檄を飛ばす」という言葉の意味は、励ますとか叱咤激励と誤解している人が多いのですが、本来は、「自分の主張や考えを人々に知らせて同意を求める」という意味で使われます。


※ベニーランドは、仙台市八木山にある遊園地「八木山ベニーランド」です。


2019年10月7日(月)

 第104話 がっかりだけどおめでたい
投稿:院長

私たちのクリニックでは、様々な方から訪問診療の依頼を頂いていますが、今日は、ある方から診療に入ってほしいと依頼があったケースを紹介します。

 

その方とは、患者さんである奥さんを介護しているご主人です。

 

このご主人は90歳を過ぎていますが、年上の奥さんをお風呂に入れたり、トイレの介助をしたり、とても献身的に介護されています。

 

そして、自宅の庭には立派な畑が広がり、今も数多くの農作物を栽培され忙しい毎日を送っています。

 

ある日、そのご主人が「介護認定で、初めて要支援1をもらったので、私も訪問診療を受けさせてもらえませんか?」と自ら訪問診療を希望されたのです。

 

しかし、生活が自立されている方は訪問診療の適応にはならず、お断りすることになりました。

 

「年をとっても、訪問診療を受けなくてもよいほど元気なことは、とても喜ばしいことです!」

「これからも介護する側として、私たちと一緒に奥さんを支えていきましょう!」

「ご主人には、これからも元気に大活躍してほしいし、今回は訪問診療の対象から外れておめでとうございます!バンザ〜イ!」

 

といった具合に、かなりぎこちない励まし(?)をすることになりましたが、ご主人は「そうなんですか・・・」とがっかりした表情を崩しませんでした。

 

そこで、「万が一、ご主人に介護が必要になった時には、一生懸命訪問診療をさせてもらいます!」と固い約束を交わすことになりました。

 

こうして、いつ果たされるかわからない訪問診療の予約リストに、このご主人の名前が記されることになりました。このリストからご主人の名前が消えることのないよう祈りながら・・・。


2019年10月3日(木)

 第103話 笑顔を表現する
投稿:院長

全英女子オープンゴルフで優勝した渋野日向子選手が、宮城県で開催された日本ツアーの大会に出場し、多くのファンが会場に詰めかけたそうです。

 

笑顔を絶やさない彼女につけられたニックネームがスマイルシンデレラ。

 

アイルランド代表に勝利したラグビー日本代表の選手が見せた「会心の笑顔」もそうですが、笑顔は人を幸せな気持ちにさせてくれます。

 

在宅診療でも、いつも笑顔で迎えてくれる患者さんが少なくなりません。

 

患者さんの笑顔は、部屋の雰囲気までも、ぱっと明るくしてしまう不思議な魅力を持っています。

 

診察を終え、移動中の車内で患者さんの様子をカルテに記載していますが、このところ、笑顔を表現する形容詞が増えてきています。

 

「とびきりの笑顔」

「素敵な笑顔」

「屈託のない笑顔」

「満面の笑顔」

「こぼれるような笑顔」

「弾けるような笑顔」

 

カルテにこの言葉を書き込んでいる時の自分は、いつの間にか頬が緩んでニヤニヤしているのは言うまでもありません。

 

この調子だと、「日向子のような笑顔」「スマイルシンデレラのような笑顔」が私のカルテにデビューする日が近いかも!?  


2019年9月30日(月)

 第102話 楽天勝利の費用対効果
投稿:院長

楽天がクライマックスシリーズに進出し、普段から楽天を応援している患者さんにも喜びの声が聞かれました。

 

もし、楽天が常に優勝を義務付けられている常勝球団だったら、3位という順位にがっかりしたでしょうし、普段から勝ったり負けたりの繰り返しだからこそ味わえる喜びとも言えます。

 

ところが、翌日の訪問診療では、この話題で盛り上がるどころかご立腹だった方もいます。

 

それは、勝利目前だったにもかかわらず、9回に無死満塁のピンチを招いてしまったことです。

 

「何やってんだ!」「ピッチャー変えろ!」

 

応援に熱がこもっていますね!

 

ところで、今年5月に各球団の総年俸が発表されましたが、楽天の支配下選手の平均年俸は12球団中4位。パリーグに限ればソフトバンクに次いで2位なのです。

 

こう考えると、楽天はクライマックスシリーズだけで満足してはいけないのです。

 

ちなみに、費用対効果の最も優れた球団は西武ライオンズでしょう。主力選手の流出が相次ぎ、巨人やソフトバンクの約半分の年俸でパリーグ優勝を勝ち取ったのです。

 

医療でも、費用対効果を意識した治療の選択が行われることが多いです。

 

同じ効果なら、費用の安い治療法が合理的と言えますし、効果の乏しい治療にお金を払い続けるのは非合理的と言えます。

 

そう考えると、楽天ファンの患者さんにとって、楽天の勝利はこれ以上ない費用対効果のある「治療法」と言えるかもしれません。

 

クライマックスシリーズ進出でホッとしている人も多いと思いますが、東北を元気づけるためにも、再び日本一を目指して頑張ってほしいですね。

 

ところで楽天の選手の皆さん、勝利する時はファンの血圧が上がらないよう9回は3者凡退でお願いします!


2019年9月26日(木)

 第101話 サムライとなでしこ
投稿:院長

ラグビーのワールドカップ日本大会が開幕し、日本代表の初戦を見た方も大勢いるのではないでしょうか。

 

ラグビーでは、代表選手資格が他の競技に比べて緩いので、外国出身の選手が多く違和感を抱く方もいると聞きます。

 

しかし、人種は違えど、長年日本に住み、日本人や日本の文化をこよなく愛する彼らが、日本代表として、日本のために体を張って戦い続ける姿は、one for allの精神をよく体現しており、本当に感動的です。

 

日本代表の練習環境には、鎧兜や刀が飾られ、サッカー日本代表を表すサムライブルー、野球日本代表を表すサムライジャパンと同様、チームとしてサムライ精神をとても大切にしています。

 

ラグビー日本代表の根底にあるサムライ精神とは何か?

 

5000円札に描かれた新渡戸稲造さんが記した武士道を、日本代表チームに置き換えてみると、サムライ精神とは「日本代表の戦士として守るべき道」であり、「いかなる試練や逆境を前にしても心静かに受け入れ、ストイックに落ち着き、チームへの忠誠心や愛国心を抱いで行動する」と解釈できます。

 

日本人の心を持った彼らの成功をずっと応援したいと思います。

 

話が変わりますが、介護の現場では、外国出身の女性が働いている姿を見かけることが少なくありません。

 

私が知る限り、彼女らの働く姿は、明るく献身的で本当に感心しています。

 

ある老人施設では、いつも入所者のバイタルや状態を記したメモを渡してくれますが、文字がとてもきれいで、医者が書いた判読できないカルテや紹介状を数多く経験してきた私にとって感動的ですらあります(笑)。

 

彼女らの姿は、まさに清楚で奥ゆかしく内面の強さを持ったやまとなでしこ。


日本人の心を持ち、文字がきれいな彼女らの成功をずっと応援したいと思います。


2019年9月22日(日)

 第100話 敬老と敬労
投稿:院長

916日は敬老の日でした。

 

訪問した家庭や老人施設では、家族からのお祝いや、施設職員による敬老会が開かれ、それぞれが楽しいひと時を過ごされたようです。

 

90歳代のDさんは、高齢のご主人の介護を受けながら二人暮らしをされています。

 

現在の住まいの近くには親戚がなく、この日はデーサービスも休みなので、いつもの休日と同様、自宅のベッドで過ごされていました。

 

ご主人は、地域の敬老会に出席するために外出していましたが、そこで出された赤飯を妻にも食べさせてあげたいと自宅に持ち帰り、お二人で仲良く召し上がったそうです。

 

結婚して以来、苦しい時も手を取り合って乗り越えてきた二人です。

 

どんな時も相手を忘れることなく、喜びも常に二人で共有されているのです。

 

この日はお二人にとって、お互いを敬い労いあう、良き“敬労の日”となったようです。

 

ということで、このブログもとうとう100回目。

 

無事“100歳”を迎え、「自分をほめてあげたい」という意味を込めて、一人で勝手に(寂しく?)自分自身を敬労しています。


2019年9月17日(火)

 第99話 いよいよ本番
投稿:院長

中学校の期末テストが来週に近づき、保健体育ではオリンピック関連の時事問題が出題されるというので、私が中学生の子供に予想問題を作って出題しています。

 

前回の東京オリンピックは西暦何年に開催されたか?

オリンピック関連で現在放送されているNHK大河ドラマは?

東京オリンピックの次の開催地は?

オリンピックの後に同じ都市で開催されるスポーツイベントは?

宮城県で開催される競技は?

福島県で開催される競技は?

100m競技で10秒を切っている日本人は何人?

100m競技で日本記録を持っている日本人の名前とタイムは?

915日に開かれるマラソン日本代表を決めるレースの名前は?

 

皆さんは答えられたでしょうか?(答えは一番下に記載してあります)

 

ということで、明日はいよいよオリンピックマラソン代表(男女2名ずつ)を決定するマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が開催されます。

 

マラソンは、42.195qの長丁場と思われがちですが、選手の皆さんは、練習でその何百倍という距離を積んで競技に臨みます。練習で走る距離に比べれば、レースで走る距離はほんのわずかなのです。

 

そしてレース結果は、練習以外に、競技への適性、体調管理、栄養管理、モチベーション、ストレスマネジメント、コース設定、気象条件、レース展開など様々な要素が絡み、あらゆるものがこの42.195qの中に凝縮しているのです。

 

こう考えると、マラソン競技というのは、その過程や結果が人のあらゆる活動や営みに通じるものがあり、だからこそ最も注目を集める競技の一つと言えるのかもしれません。

 

選手の皆さんには、ゴールした瞬間、「すべてを出し切った!」と言えるようなレースにしてほしいと思います。

 

そして子供には、「お父さんの問題が的中した!」と言ってほしいものです。

 

そして中学校の先生には、MGCで代表に選ばれた選手の名前は?」なんて意地悪な出題をしないようにお願いしたいです。m(_ _)m

 

答え

1964年、いだてん、パリ、パラリンピック、サッカー、野球とソフトボール、3人、サニブラウンハキーム選手で997、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC



2019年9月14日(土)

 第98話 介護の味付け
投稿:院長

施設に入所中の80歳台の男性Cさんですが、肺炎と心不全の増悪のため、すっかり元気がなくなっていました。

 

しかし、治療が奏功し、先日訪問すると、おいしそうに昼食を召し上がっていらっしゃいました。

 

Cさんの食欲の秘訣は・・・お盆に乗せられたご飯と、すべてのおかずにかけられていた醤油。

 

ご飯にまで醤油をかけるなんて、Cさんは、半端ない醤油好きのようです。

 

厳格な医者だと、「醤油をもっと控えなさい!」と注意するのでしょうが、1週間以上も満足に食べられなかった姿を見ていた私は、とても注意することができませんでした。

 

しかし、醤油差しの中身をよく見ると、透明感のある見慣れない醤油でした。

 

なんと、スタッフの配慮で、水で半分以上薄められていたのです!

 

私は思わず、「いい味出してるね!」と口ずさんでしまいました。

 

醤油は薄くても、Cさんは、施設スタッフの濃厚な愛情に支えられているんですね。

 

介護とは、思いやりと、ちょっとした工夫の積み重ねで、患者さんのために演出することなのかもしれません。

 

「その介護、いい味出してるね!」をこれからも連発していきたいものです。


2019年9月12日(木)

 第97話 嫁と姑
投稿:院長

嫁姑関係と聞くと、友好関係というより、緊張関係をイメージする方が多いかもしれません。

 

私が子供の頃は、「嫁は夫の家に入り、その家の作法に従う」という古い慣習が残っていて、嫁姑関係は、「嫁を厳しく教育する姑と、葛藤を抱えながらそれに従う嫁」というイメージで語られることが多かったと思います。

 

しかし、私が医師として研修を始めた頃は、この関係が変化し、年配の女性から「嫁に厳しい言葉を浴びせられた」「嫁と口喧嘩したら部屋に閉じ込められた」「嫁が自分の実家に帰ってしまい戻ってこない」など、同居する嫁との人間関係にストレスを抱え、相談されるケースが少なからずありました。

 

そして現在は、夫の両親と別居する夫婦が増え、お嫁さんは、「夫の家に嫁ぐ存在」ではなく、「息子の妻になってもらう存在」として歓迎され、嫁姑の関係も時代の変遷とともに変化してきたように思えます。

 

そんな中、訪問診療でも、さまざまな家族関係を感じながら診察することになりますが、患者さんを本当の親のように介護されている献身的なお嫁さんも数多くいらっしゃいます。

 

ベッド上の生活を送っている90歳台の女性Bさんは、白内障が進み視力の低下が目立ってきていました。

 

本人は、「歳だから仕方がない」とあきらめていたのですが、「少しでも視力が回復する可能性があるのなら是非手術を受けさせてあげたい」というお嫁さんの強い希望で眼科を紹介することになりました。

 

訪問診療を通して、家族関係は一時的に作られるものではなく、時には困難を乗り越えて時間をかけて作られるものであると強く感じます。

 

きっとBさんは、お嫁さんが嫁いで来た時から、実の娘のように温かく包み込むように接してきたに違いありません。

 

Bさんの視力が回復したら、私の顔がどんな風に見えるのか聞いてみたいと思っています。

 

心優しいBさんのことなら、きっと「男前ね」と言ってくれるに違いありません(笑)。


2019年9月8日(日)

 第96話 ぽっくり?それとも、ぽっこり?
投稿:院長

世の中、糖質制限をはじめ、食事制限によるダイエットが話題になっていますが、特に後期高齢者の場合、必要以上の体重の減少は、筋肉の減少までも引き起こし、寝たきりなど身体障害の原因となってしまう危険性の方が問題となります。

 

実際、この年代では、肥満の人よりも低体重の人の方が死亡の危険性が高まるという研究結果や、老衰死で亡くなった方を数多く調べると、亡くなる5年ほど前から食べる量が減っていないのに、徐々に体重減少が始まっていたという研究結果が明らかになっています。

 

したがって、高齢者(体液過剰になりやすい心不全や腎不全を除く)では、体重がしっかり維持できているか定期的に確認することが必要です。

 

85歳を過ぎた女性患者さんとのやりとりです。

 

私「○○さんは、しっかり食べていらっしゃるし、とても健康的ですね」

患者さん「でもね、お腹が出てきたし、みっともなくてね」

私「○○さんのふっくらは、胃腸が良く働いて健康な証拠ですよ。これからお嫁に行くわけでなければ(※)、お腹はこのまま“ぽっこり”で良いですよ」

患者さん「嫁(よめ)に行くどころか、余命(よめい)が短くて、“ぽっくり”あの世に行くんじゃないですか?」

私「○○さん、お上手ですね!この調子だと亡くなった旦那さんは、まだまだ“うっかり”と迎えに来られませんよ!」

 

後期高齢者の皆さん、痩せて“ぽっくり”と逝ってしまうのではなく、ふくよかに“ぽっこり”と元気に長生きしましょう!

 

※お嫁に行く人は、必ずしもダイエットしなくてはいけないということではありません。



2019年9月3日(火)

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