仙台市若林区の診療所  医療法人社団太陽会 仙台在宅支援たいようクリニック 【訪問診療・往診・予防接種】
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院長ブログ


 第77話 4つの幸せ
投稿:院長

患者さん、ご家族、地域、職員とかけて、その4つをごちゃ混ぜにするととく、その心は?

 

幸せ(四合わせ)

 

ということで、職員に対して当クリニックの理念を考えてほしいと要望していたところ、「私達は、患者さんの幸せ、ご家族の幸せ、地域の幸せ、職員の幸せを願い、行動します!」ということで決定しました。

 

私達は、「4つの幸せ」を願い、診療活動を続けていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

ちなみに始めに記した語呂合わせ(謎かけ)は、最初から狙っていたものではなく、院長の私が後で勝手に考えたものです。



2019年6月27日(木)

 第76話 計算高い人生
投稿:院長

現在、認知症予防の様々な取り組みがなされていますが、今注目を集めているのが簡単な計算問題に取り組むことです。

 

東北大学の川島教授によれば、計算問題に取り組んでいる時と音読をしている時に、脳の前頭前野という部分がとても活性化するそうです。

 

前頭前野という部分は、人が思考したり、行動や感情を抑制したり、意思を決定したり、意識や注意を集中したり、やる気を引き出したりする、いわば脳の司令塔です。

 

昔から算数や数学は苦手で、「えっ計算?」と拒否反応を示す方もいるかもしれませんが、その人に合った簡単な足し算や引き算などでもOKです。

 

ここで大切なのが、学習をサポートする人と楽しく対話しながら行うことです。

 

そういえば、小学生の頃は大人と一緒に計算や音読で勉強していたものですが(それを見守る大人は、楽しいどころか殺伐とした雰囲気?だったかもしれませんが・・・)、昔のように学習するということかもしれません。

 

認知症の方がこの方法に取り組むと、記憶力の向上以外に、笑顔が増えた、意思をしっかり示すようになった、意欲的になったなど精神面の効果も期待できるそうです。

 

私が担当しているある患者さんは、毎日、デーサービスで配られた計算問題に取り組んでいます。

 

枕もとには、若い時に使っていたソロバンが置いてあり、ソロバンを駆使しながら計算に励んでいます。

 

最初は1桁の足し算と引き算でしたが、私が訪問するたびに桁が増え、今や3桁以上の掛け算を解いてしまいます。

 

診察ではいつも楽しい話題と笑顔が絶えず、意欲的に生活する姿も「桁違い」。

 

歳をとったら、自分の脳の利害や損得に敏感な、「計算高い人生」を目指したいものです。



2019年6月25日(火)

 第75話 様と呼ぶか、さんと呼ぶか
投稿:院長

以前、患者さんの名前を「〇○様」と呼ぶべきか「○○さん」と呼ぶべきか議論がありました。

 

「〇○様」という呼び方は、「お客様は神様」という発想が無関係ではないように思いますが、そこにはサービスを提供する側と受ける側が一方的で、プライベート的要素のないビジネスが根底にあります。

 

一方、医療はどうかというと、医療者は患者さんのプライベートを含む背景まで掘り下げて一緒に考えたり、時には冗談を言い合ったりしながら、単なるビジネスとは言い切れない長期間にわたる関係性を築いていくことが多くあります。

 

そんな状況の中で、いくら敬意を示す必要だからと「〇○様」と呼ぶのは違和感があるし、まして、アットホームな雰囲気が必要とされる在宅医療ではなおさらです。

 

しかし、だからと言って、外国のように初対面からファーストネームで呼んだりするのは一般的な日本人には馴染まないでしょう。

 

そんな日本で、相手を「○○さん」と呼ぶ言い方が広まったのはとても絶妙と感じます。

 

もともと「○○さん」という言い回しは、「○○様」から転化したようですが、今では親しみを表す言葉として広く使われています。

 

例えば、身内に対しては、おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさんだったり、職業別には、お医者さん、看護師さん、お巡りさん、運転手さんだったり、人間以外にも、象さん、お猿さん、アヒルさんなどと親しみを込めて呼んだりします。

 

日本では、年配の夫婦がお互いのことを「おとうさん」「おかあさん」などと呼んだりしますが、これは子供達が両親を呼ぶ言い回しが、いつの間にか夫婦の間でも共有されるようになったものと考えられます。

 

私は、夫婦の間で「おとうさん」「おかあさん」と呼び合っているのを聞くと、とてもほのぼのとしたものを感じます。なぜなら、そこには親しみだけでなく、配偶者としての信頼やねぎらい、子供達にとって良き父親、母親であるという意味が込められているような気がするからです。

 

ということで、「〇○さん」は、相手に対して様々な意味を込めることができる、とても日本らしい表現だと思いますし、これからも様々な場面で使っていきたいと考えています。

 

今日は少々長くなってしまいましたが、最後まで根気よく読んでくれた「皆さん」、どうも「ご苦労さん」でした。


2019年6月21日(金)

 第74話 癒しの効能
投稿:院長

昨日は、診療を非常勤ドクターにお願いし、某病院で毎年恒例の人間ドックを受けてきました。

 

私は人間ドックを受ける時、いつも医者であることを隠しています。

 

なぜなら、医師であることがわかると相手が身構えるだろうし、普通の受診者らしく振舞うことで、その病院の普段の接遇がわかるからです。

 

そしていよいよ胃カメラ(上部消化管内視鏡)の順番がやってきました。

 

少々緊張している私に向かって、介助して下さった看護師さんは終始、私の背中に手をかざしながら優しく声掛けして下さいました。

 

「星野さん、肩の力を抜いてリラックスして下さいね〜」

「星野さん、カメラが胃まで来ましたからね〜」

「唾が溜まったら自然に吐き出して良いですからね〜」

「お疲れ様でした〜。星野さんとても上手だったですよ〜」

 

こうして、看護師さんの優しい介助のおかげで、先ほどまでの不安が嘘のように検査を終えることができました。

 

きっと、胃カメラの操作がどんなに卓越していたとしても、ぶっきらぼうなドクターの態度を緩和するような看護師さんの存在なくして楽に検査を受けることができなかったに違いない・・・そう感じました。

 

こうして、看護師さんによる癒し(声掛けする時に必ず語尾を伸ばす)というのはとても偉大なものだと再認識できました。

 

この病院の個人的な評価は・・・もちろんA判定。

 

ちなみに、一緒に人間ドックを受けた妻の評価は・・・「マンモグラフィーはとても痛かった!」で辛口のC判定でした。

 

どうやらこちらにも「癒し」が必要だったようです。



2019年6月18日(火)

 第73話 美しい日本語
投稿:院長

病院やクリニックでは、女性職員の占める割合が多く、訪問診療の仕事でも、院内の事務職員、ケアマネージャーさん、看護師さん、介護士さんなど女性とやり取りする機会が非常に多いです。

 

医師としてこちらから指示を出す場合、相手から「わかりました」、「了解しました」と返答をもらうケースが多いのですが、実は最近のビジネスマナーでは「了解しました」を目上の人や取引先に使うのは、失礼にあたるのだそうです(私自身は失礼だとは全然思っていなかったのですが・・・)。

 

先日、ある訪問看護師さんと電話でやり取りした際に、「かしこまりました」とさりげなく返事を頂いたことがあったのですが、とても新鮮で、女性らしく柔らかな、美しい日本語だと感心しました。

 

調べてみると、「かしこまる(畏まる)」という言葉には、「目上の人に対して畏れ敬う(おそれうやまう)」という意味があり、「依頼などを謹んで承る(うけたまわる)」ということになるのだそうです。

 

自分の依頼を快く“慎んで承ってもらえる”なんてハッピーな気分になるし、自分自身が温かいものに包まれているようで、とても気持ちが和んでしまいますね。

 

ということで、「かしこまりました」という言葉をもっと聞いてみたいと秘かに考えている男子の独り言でした。


2019年6月13日(木)

 第72話 高齢者ってすごい!パート10
投稿:院長

在宅医療を受けている終末期の癌患者さんにとって、自宅は家族と暮らす貴重な空間です。

 

そして、患者さんは住み慣れた空間で家族と貴重な時間を共に過ごすことになります。

 

70台のIさんは、病院の緩和病棟の申し込みを行っていましたが、最期まで奥さんと一緒に自宅で暮らす決意を行いました。

 

ある日の診察の終わりに、「家内は膝が痛むらしいんだ。少し診てやってほしい」とそっと告げられました。

 

そして、私は奥さんの膝を診察し、自宅でできる脚の筋力訓練を指導しました。

 

その日の診察は終始にこやかで、家族や親戚に伝えたいことはすべて伝え、すべてをやり切ったという充実感に溢れていました。

 

そして、奥さんの膝を心配する言葉は私に対する最期のメッセージとなりました。

 

その1週間後、Iさんは最愛の奥さんに見守られて旅立ちました。

 

今まで、人には言えない心の葛藤や苦痛があったと思いますが、そんな中でも自分の運命を受け入れ、残される家族のことに思いを寄せられる高齢者ってすごい!

 

奥さんは、天国のIさんに見守られながら、次の人生を力強く歩んでいくに違いありません。



2019年6月10日(月)

 第71話 高齢者ってすごい!パート9
投稿:院長

90台のHさんは、2歳年下の夫を持つ姉さん女房です。

 

そんなHさん、すっかり足腰が衰えましたが、「かかあ天下」は今も健在で、夫に対する言葉はちょっぴり辛口。

 

しかし、旦那さんは、Hさんからいつも浴びせられる辛口の言葉にも、難聴のためなのか、快感を感じるためなのか、全く動じません(笑)。

 

それどころか、Hさんに対する愛情(忠誠心?)は人一倍で、Hさんが風呂に入ろうものなら、深い愛情を込めてHさんの体の隅々まで洗ってしまいます。

 

そんな旦那さんの趣味は園芸。

 

雑草の全く生えていない自宅の畑には、区画ごとに数々の花や野菜がきれいに並んでおり、一つ一つの作業に深い愛情が込められていることがよくわかります。

 

旦那さんの願いは、取れたての新鮮な野菜で、早くHさんに元気になってもらうこと。

 

旦那さんの願いが早く成就しますように。

 

介護を通した直接の愛情と、野菜を通した間接の愛情を、絶えることなく、愛する人のために注ぎ続けられる高齢者ってすごい!

 

えっ、愛情のエネルギー(肥やし)は、もしかして妻から浴びせられる辛口の言葉!?

(次回はパート10を紹介します)

2019年6月6日(木)

 第70話 高齢者ってすごい! パート8
投稿:院長

Gさんは、90代の女性です。


今はすっかり足腰が衰えてしまいましたが、心は若い時のままでエネルギッシュそのものです。

 

ある日、診療中にGさんから、「私からのラブレターです。是非読んで下さい」と封筒を渡されました。

 

ラブレターをもらったのは中学校以来なので、約40年ぶりです(笑)。

 

後で封筒の中身を確認してみると、入っていたのは○○党所属の市議会議員と参議院議員を紹介するパンフレットと後援会入会申込書でした(笑)。

 

パンフレットには、「誰もが安心して暮らせる街づくり」「心の復興」「あなたの未来を元気アップ」「現場第一」などど、在宅医療を行う立場でも使える小気味よいフレーズが満載。

 

議員の皆さんにとってGさんは、まさに母のような存在なのでしょう。

 

Gさんの病状はけして芳しいとは言えないのですが、長い間、信頼できる仲間の政治活動を支えてきたことも、生きるエネルギーの源だったのですね。納得。

 

年齢を重ねて、様々な病気を抱えていても、応援したり、信頼できる、心のよりどころを持っている高齢者ってすごい!

 

ちなみに私の公約は・・・「Gさんが安心して後援会活動できる体づくり」です。


(次回はパート9を紹介します)



2019年6月3日(月)

 第69話 高齢者ってすごい! パート7
投稿:院長

ある不治の病を持つ80代のGさんは、足腰が衰えてベッド上の生活でした。

 

しかし、お花見をすることと、数か月後に行われる市長選挙の投票に行くことを目標に、在宅酸素を受けながら自宅で懸命にリハビリに取り組みました。

 

その結果、自分の足で車椅子に移乗できるようになり、近所に咲いた見事な桜の木の前で、お孫さんと一緒に記念撮影をすることができました。

 

そして選挙当日、一本の電話が入りました。

 

「無事選挙に行ってきたよ」


受話器の向こうから聞こえてきたのは Gさんの声。


それは、選挙を通して、市民としての役割を果たすことができた喜びと充実感に溢れていました。

 

誰よりも思いのたくさん詰まった一票だったに違いありません。


 Gさん、本当におめでとう。

 

そして、選挙の数週間後、Gさんは目標を叶えた喜びと共に旅立たれました。

 

しかし、Gさんの自宅には、満開の桜の前で微笑むGさんの笑顔が、今もご家族を見守ってくれています。

 

たとえ残された時間が短くとも、目標を持ってやり遂げることの大切さを教えてくれる高齢者ってすごい!


(次回はパート8を紹介します)



2019年5月31日(金)

 第68話 高齢者ってすごい! パート6
投稿:院長

在宅医療で最も大きな力となるもの・・・それは人間同士の絆です。

 

難病のFさんは、徐々に衰える自分の身体と向き合って生きてきましたが、その傍らには常に奥さんがいました。

 

ある日、夫婦喧嘩の真っ最中に訪問したことがありました。

 

お互いにすごい剣幕で“言葉の弾丸”が行きかう中、私は慌てて仲裁に入り、何とか落ちつきを取り戻すことができました(流れ弾に当たらなくて良かった・・・)。

 

でも私は全く心配していませんでした。

 

結婚してから山あり谷ありの夫婦関係でしたが、二人でいろんなことを乗り越えてきたからこそ今がある・・・それを知っていたからです。

 

三浦友和、百恵夫妻のように、一度も喧嘩したことがないという夫婦関係も理想的かもしれませんが、相手が病人だろうが、互いをぶつけ合い、普段通りに接することができるすごい夫婦なのです。

 

Fさんの病状が少しずつ進行する中、奥さんが漏らした一言が忘れられません。

 

「ここまで来たし、夫婦なんだから頑張ります。この人はいつも強気なことばかり言っていますが、やっぱり私なしではダメなんです」

 

とても深くて重い言葉です。


3組の夫婦のうち1組が離婚してしまうという世の中、良いことも悪いこともすべてを糧にして夫婦の絆を深めてきた高齢者ってすごい!


(次回はパート7をお送りします)



2019年5月28日(火)

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