第32話 所有物ではない |
投稿:院長 |
私が今まで心に響いた言葉の一つに「子供は親の所有物ではない」「子供の人生は親であってもコントロールすることはできない」が挙げられます。
この言葉を聞いて、子供が自分の言うことを聞かなくても「子供を支配しようとしてはいけない」という自制心を持って子供に接することができるようになった気がします。
最近、子供の虐待が話題にのぼりますが、躾と称して実は子供を自分の所有物のように扱っている親が非常に多いように思えます。
どんなに幼い子供であっても親とは別な人格をもった人間なのです。
これは医療や介護にも通じるところがあります。
意思表示できなくなった患者さんに対して、医療者や介護者の一方的な都合で患者さんの治療方針や介護方針が決められていないか常に点検していく必要があると思っています。
「本人だったらどんな治療や介護を望むのだろうか?」
患者さんの周囲にいる人々が、患者さんの今までの人生の歩みを振り返り、想像を働かせ、皆で協力してサポートしていきたいものです。
話は変わりますが・・・私達は自分の家族を表現するときに「私の子供」「私の親」「私の妻」「私の夫」などと、全く違和感なく所有格を用いたりしていますが、本来なら、「私達が生み育てている子供」、「私を生み育ててくれた親」という表現が好ましいのではないか?なんて考えたりしています。
上司が部下を表現するときに「自分の部下」ではなく、「自分を支えてくれる部下」なんてカッコよく表現出来たら、世の中にパワハラがなくなるのではないかと秘かに妄想を抱いています。 |
2019年2月9日(土) |
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